ホームヘルパーは特に病気の知識が必要

在宅介護を支えるホームヘルパーとしての仕事を希望している人もいるでしょう。
在宅介護も施設介護と同じく、高齢者の日常生活を支援するのが主な役割です。
仕事の内容についても、衣食住に関わる日常生活全般の援助サービスを行います。

とはいえ、どんな援助サービスであっても、あらかじめケアマネジャーが作成するケアプランと指示に基づいて、個別にサービスを提供するのが前提。
ホームヘルパーが勝手にサービスを提供することはできませんし、高齢者やその家族から契約以外のサービスを求められても、断る必要があります。

ただし不測の事態が発生すれば、話は別です。
特に高齢者は普段から病気を抱えていたり、日常動作が不自由なことによって、在宅介護の最中に急な発病やケガが起きることがあります。
施設介護なら看護師がいますが、在宅介護ではホームヘルパー自らが迅速かつ的確に対応しなければなりません。

例えば高齢者がいきなり倒れてしまったケースでは、まず名前などを呼びかけて、意識の有無を確認します。
もし意識がなければ、顎を上げて気道を確保。
口腔内に異物が詰まっているならば、指で掻き出す必要があります。
次に口と鼻に顔を近づけ、同時に胸の上下運動も確認し、呼吸の有無を見ます。
呼吸が無い場合には、人工呼吸が必要です。
さらに人差し指と中指そして薬指の三本を頸動脈にあて、脈の状態も確認します。
このように適切に対処し、患者の状態をできるだけ詳しく観察してから、119番で救急車を呼びます。
もちろん所属する在宅介護サービスの事業所へも、迅速に連絡しなければなりません。
こうしたケースでは少し時間が遅れただけでも命取りになってしまうことがあります。
知識を身につけて不測の事態に備えましょう。